素材と断熱に拘った省エネ住宅を造る工務店ブログ
2階の不陸はどこから・・・構造体は極力いじらずに 
2階床の不陸を見てほしいとのことで、あるお宅へおじゃますることに。

着いてみると相当に年数はたっているが、たびたび手をいれメンテナンスしていることがわかる伝統的な日本家屋。

幅が2間(約3.6m)もある広い玄関を通り、さっそく2階へあがってみると見てわかるほどに床が傾いている。

レベルで測定してみると、どうやら部屋の隅の一方向に向かって床が下がっており、大きな傾斜があるところで、わずか1800mmの距離で高さのずれが15mm近くもありました。

分数勾配で言えば1/120。

多少なりとも木造の梁はたわみますが、仮に1/250を許容値とするとその2倍以上の傾き。

家主は地盤沈下を心配しているようでしたがどうなのでしょう。

その部屋を今度息子さんが使うようになるため、フローリングの張替工事と遮音の向上を希望されていたので、いずれにしても床をはがして不陸を直すことになりました。

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いざ床をはがして、1階天井と2階床の間の、ちょうど部屋の角にあたる一番下がっているところをよく見てみると、現在は無くなっているが通し柱の痕跡が・・・。

どうやら以前に1階のリフォーム工事を行った際、リビングを広くしたいという間取りを優先させるために通し柱を切断し、その箇所を梁で梁を受ける2次梁としたようです。

荷重がかかることはわかっていたのでしょう、結構太い梁が入ってましたが、和瓦がのった2階からの荷重、そして同じく和瓦の下屋がとりついていた箇所だったのでその荷重が加算され、それに新潟では一時的にですが積雪荷重も加わってくるので想像以上に荷重が集中し、たわみが蓄積され大きな傾きが生じたのです。

床の不陸を修正し、遮音フローリング、遮音シートを貼ったのですが、傾斜した箇所に入口があったため敷居も傾斜し、ドアにぶつかっていたため加工しなければなりません。

内装材にくいこんでいるため外すことができないので、その場で水平に加工(部材としては斜めに切断)。

めんどうな作業でしたが、当社大工がきれいに仕上げてくれました。

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リフォーム需要が増えているようですが、その際でも間取りばかりを優先せず、構造体はよほどの根拠がない限り原則いじらず行わなければなりません。

by takakoun | 2011-09-16 22:02 | リフォーム | Trackback | Comments(0)
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