素材と断熱に拘った省エネ住宅を造る工務店ブログ
気密性はどこまで③
冬のこの時期、暖房はいつも通りつけ、気温は思ったほど冷え込んではないのに風が強いと寒く感じることはありませんか?

それはもしかしたら建物の気密性のせいかもしれません。
気密性能が低いと内外温度差による煙突効果で室内の空気が外気と入れ替わるのと、風による影響のダブルパンチで隙間からの漏気が多くなってくるのです。

建物の気密性能はどの程度、熱損失や暖房に影響をあたえるのでしょうか。
ある程度信頼できる所が調べたデータを使って実際に計画した建物にあてはめ、シミュレーションしてみます。

Q値の計算は熱損失計算ソフトQ-pex。
気密性はどこまで③_c0091593_13112858.jpg


建物は約104㎡でQ値は1.34W/m2k。
第一種換気を装備したと仮定して屋内外温度差が20度、風速が6m/sの時で計算。

ちなみに風速6m/sは最大風速で見ると毎日起こっているぐらいの比較的よくある、強めの風です。
(強風注意報が平均風速10m/s)

気密性能別の漏気量を換気による熱損失0.5回/hに足して計算し直すと、

気密性能0.7cm2/m2のとき漏気量は換気回数に換算すると0.252回/h、これを計画換気に足してQ値を計算すると1.55W/m2k
気密性能1cm2/m2のとき漏気量は換気回数に換算すると0.0.372回/h、実質Q値は1.65W/m2k
気密性能2cm2/m2のとき漏気量は換気回数に換算すると0.735回/h、実質Q値は1.95W/m2k
--途中省略--
気密性能5cm2/m2のとき漏気量は換気回数に換算すると1.842回/h、実質Q値は2.88W/m2k

この漏気量を平均していくとQ値に概ねC値/3を足してあげると漏気も加えたQ値になってくるようです。
例えばQ値1.6kw/m2の家の場合でC値が2cm2だと、1.6+2/3≒実質Q値2.27W/m2kということになります。

第3種換気では建物が負圧になるため漏気量が減り、内外温度差30℃、風速6m/sで計算すると概ね実質Q値=Q値+C値/3~8になりました。スカスカだと負圧にならないため変動が大きいのかもしれません。

ちなみに断熱性を表すQ値(熱損失係数)や改正された省エネルギー基準での断熱性能を表す新しい指標である平均U値(外皮平均熱還流率)にはこういった漏気による熱損失はまったく考慮されていません。
(Q値には換気による熱損失は含まれています。)

こうして見ていくと、Q値はもちろん、実測値である気密性能C値も確認する家造りが重要になってくることがわかります。

※気密性能を高めなければならない理由は他の点でもあります。

by takakoun | 2013-02-13 14:02 | 高断熱高気密 | Trackback | Comments(0)
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