素材と断熱に拘った省エネ住宅を造る工務店ブログ
カビの繁殖した壁の改善

ある大家さんから貸している家の軒天の破損など、外回りの修繕工事を依頼されました。
ついでに、内装材の一部にカビが生えているみたいだから張り替えて、とのこと。

後日、賃借人がいらっしゃる時に内部を見せてもらうと、その”ついで”の工事の方が相当に深刻でした。
壁の下部にはカビが繁殖しており、壁の上部の方も中の木材の位置がはっきりわかる程度までに汚れが。

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賃借人に聞くと、眼を患っているとのことで、医者が言うにはカビ胞子のせいではないかとのこと。

そこで原因を探るべく、床下を点検しようにも、タタミの下は元洋室だったみたいでフローリングが貼られており、キッチンの床下収納庫も内部がコンクリートで囲われているため、困ったことに目視は全くできない状態。

ただ、この現象からある程度原因は想像はつきます。

おそらく、
その借家の築年数からして、床下の防湿処理がされておらず、また、床下の通風状態も悪いので床下は相当に湿度が高い状態。
   ↓
冬期、その床下の冷たい空気が気流止め(参考記事)のない壁内に侵入し、壁自体を冷やしてしまう。
   ↓
室内の暖かく湿った空気が、冷やされた壁に触れることで結露を恒常的に招いてしまいカビが繁殖。

こんなところではないでしょうか。

内装材だけを交換したり、上から隠したりするだけの工事の方が簡単かもしれませんが、根本的な原因が変わらない為、再度同じ現象になる可能性が高いとの話をさせて頂き、床材撤去の上、床下環境の改善と気流止めを施しつつ、借家人の生活環境の改善(石油ヒーターなどの見直しによる湿度管理)を提案することにしました。

by takakoun | 2013-06-03 18:05 | 雑談 | Trackback | Comments(0)
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