素材と断熱に拘った省エネ住宅を造る工務店ブログ
新潟市 真空トリプルガラス 空気層
新築の方ですが、この家はコーナーサッシを多く使っています。
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ガラスはトリプルガラス。
サッシのガラス上部をよく見るとキャップが見えます。
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これはガラス間の中の空気を抜き、真空にした後に封をするキャップです。

真空層自体は0.2mmですが、真空は熱の伝わり方の3種類(伝導、対流、放射)のうち、伝導と対流の2つがなくなることにより熱を伝えにくくしています。
トリプルガラスなのでもう一枚ガラスがあり、そのガラスで作られる層は13mmのアルゴンガスが入った空気層。
窓自体のU値は、1.12~1.34w/m2kと、アルミ樹脂サッシ(2.33w/m2k)の2倍近い断熱性になります。(数字が少ないほど断熱性大)

このサッシメーカーでは最近16mmの空気層を2重にとったトリプルガラスサッシも発売しており、U値は20%弱良くなっているみたいです。


空気層は厚みによって断熱性が変わってきます。
その空気層は厚ければ良い、というわけでもなく、私が建築士資格を勉強した時の資料で古いものですが見てみると、
新潟市 真空トリプルガラス 空気層_c0091593_13492388.gif

熱抵抗の値のグラフなので今度は値が大きいほど断熱性能が上になります。
グラフの上の線(密閉空気)を見てみると、2cmくらいまではぐっと厚みを増すごとに断熱性が良くなってくるのがわかりますが、その後4cmくらいまでは緩やかに上がり、その後は逆に少しずつ下がっていくのがわかります。これは空気層が厚くなってくると対流を起こしやすくなるからでしょう。

そして下の線は半密閉状態の空気層の断熱性を表しており、空気の出入りがあれば当然断熱性は低くなり、密閉状態の1/3以下になってしまいます。

ですからサッシの断熱性を上げるために既存サッシの内側にもう一枚サッシを取り付けることがありますが、なるべくきちんと隙間ができないように取付けないと効果は半減してしまうのがわかります。

そういえば、以前ある顧客とお話させて頂いた時、外断熱で作っているある会社に壁の中の何もない空間について、もったいないという質問をしたら、断熱空気層ですから、と説明を受けたと言っていましたが、よほど施工時に密閉させない限りは無理がある話になりますし、たとえ密閉させたとしても0.18の熱抵抗では高性能グラスウール120mmの熱抵抗(3.2)の約1/18程度の性能しかない事になります。

by takakoun | 2014-11-08 16:32 | 高断熱高気密 | Trackback | Comments(0)
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