素材と断熱に拘った省エネ住宅を造る工務店ブログ
断熱気密の利点2 高断熱のメリット1 冬の体感温度の違い
高断熱化したことによるメリットのひとつが壁表面や窓の温度の違いから生じる体感温度の差になります。

人が感じる体感温度は空気の温度だけでなく、周辺の壁面表面温度からの輻射熱の影響を受け、それらの平均が体感温度である、ということが言われています。
ではこの理屈だと、冬の体感温度の違いはどのようになるでしょうか。


設定条件
新潟の冬を想定 屋外が0℃、屋内の空気温度が20度
単純化するために6面体の一面を窓(ガラス)、一面を外壁、残りを間仕切壁としています。
各壁の表面温度は図中参照
高度なシミュレーションを行っているわけではなく、この程度の断熱材が入っているかな、といった程度で壁表面温度をだしています。


高断熱住宅の場合
UA値0.3W/m2K程度、トリプルガラス、廊下(間仕切の反対側)は19℃程度とします。
室温と各壁面表面温度を足していき、要素数で割って平均を出します。

(20(室内温度)+20+20+20+20+19.7+18(窓))/7≒19.7℃

体感温度と室内温度がほぼ同じ

断熱気密の利点2 高断熱のメリット1 冬の体感温度の違い_c0091593_14055796.jpg



省エネ基準住宅の場合
イメージはUA値0.75~0.87W/m2K程度、窓はグレードを上げてLow-eペアガラス、廊下は13℃程度とします。
同じように計算して、

(20(室内温度)+20+18+18+19+19+17(窓))/7≒18.7℃

断熱気密の利点2 高断熱のメリット1 冬の体感温度の違い_c0091593_20503547.jpg



ということで、約1℃の違いになります。

では暖房設定温度を1℃上げれば同じ体感温度になるじゃん、と思うかもしれませんが、体感温度を同じ19.7℃にするためには、室内温度をXとして上記式に当てはめなければなりません。

(X+20+18+18+19+19+17)/7=19.7・・・X=26.9℃

そもそも窓面がかなり大きいので、それを割り引いて考えたとしても、設定温度をかなり上げなければ体感温度は上がってこないことになります。
しかも、この温度は部屋の真ん中にいる人の体感温度になるので、窓の近くにいる人は窓の冷輻射の影響をより強く受け、体感温度はその分低くなり、暖房の設定が難しくなりそうです。


対策として、
カーテンをすれば窓からの冷輻射の影響は減ってくると思いますが、窓ガラス面はさらに冷えるのでコールドドラフト(冷気流)の影響は残ります。

ハニカムサーモスクリーンをレール付きで装備すれば、冷輻射とコールドドラフトは減らせそうですが、今度は結露のリスクが相当に高くなってきます。
(ハニカムサーモスクリーン、気になる方は調べてみてください。)

ガラスをLow-eペアガラスから、トリプルガラス(18℃に上昇)にする。逆に普通のペアガラスにすると13℃くらいになり、かなり悪化するのでおすすめしません。

あとは、廊下の温度を上げれば体感温度は上がります。が、廊下含め家全体の温度差を少なくしやすい、といったことも高断熱住宅のメリットになるので光熱費をからめてまた別の機会で触れます。


ちなみに高断熱住宅は当然として、省エネ基準住宅も断熱・気密共に適切に施工された、という前提です。
適切に施工されず、断熱欠損があったり、すきま風があったらさらに温度差が開くことになると思います。


※体感温度のくだりは建築研究所の三浦尚志氏の講演を参考にしています。



by takakoun | 2020-10-02 14:07 | 高断熱高気密 | Trackback | Comments(0)
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