素材と断熱に拘った省エネ住宅を造る工務店ブログ
断熱気密の利点5 高気密のメリット2 すきま風(漏気)をなくし暖房効率、快適性を上げる

冬期、外気が低くなって暖房を使い始めると温められた空気は軽くなり上部に動く力が働きます。上昇圧力を受けた空気は建物の上部の隙間から出ていき、今度は出ていった分、建物の下の方の隙間から外気(冷気)が流入してきます。

内外温度差が大きいほど(寒ければ寒いほど)、気密性が低い建物は室内上下の温度差も大きくなり、漏気量もますます増えていきます。

これは気球が空に浮く原理からも、なんとなく理解できると思います。


風が強くなってくると外壁にあたる風圧力が大きくなり、これも漏気量を増やす原因になってきます。

風の強い日に、引違いサッシなどの気密性がそれほど高くないサッシに手をかざしてみると風を感じることからこれも理解できると思います。


新潟市の気候はどうでしょうか。
気象庁の新潟市の平年値(1981年~2010年)を見てみます。(拡大して見てください)

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温度(青線)を見てみると、1~3月あたりの最低温度は-0.2℃~2.1℃なので室内温度を20℃程度と考えると内外温度差は約20℃です。

平均風速(緑線)を見てみると、1~3月は3.5~4.0m/sなので他の月より若干強めかな、という感じです。


平均だとよくわからないので、今度は国土地理院から地図を引っ張ってきました。(拡大して見てください)

断熱気密の利点5 高気密のメリット2 すきま風(漏気)をなくし暖房効率、快適性を上げる_c0091593_13414503.png


これは風速10m/s以上の日(強風日)が何日あったかがカウントされています。
新潟のグラフ(赤丸)を見ると冬期の強風日が飛びぬけて多く、とくに1月はひと月の半分(約13日)もあることになり、こちらの方が実感に近い気がします。


このように新潟の冬は2重の意味でも建物の気密性が重要になってきます。


どれだけ漏気量があるのか、ある論文に基づいて新潟市の気候を想定して算出すると(算出根拠、またの機会にでも書きます)、

住宅地において、風速6m/s、内外温度差20℃の時、普及している第3種換気扇を付けた建物の気密性能が2cm2/m2程度だった場合、家の中の空気が漏気だけで1時間に0.5回、入れ替わることが予想されます。機械換気分も同じだけ(0.5回)あるので、合わせると1時間に家一軒分の空気が入れ替わることになります。

これは外気0℃と室内の暖められた空気20℃の入れ替えになるので、その分暖房効率が落ちることになります。

同じ条件で、建物の気密性が0.5cm2/m2だと漏気量はほぼゼロ。

条件を変えて風速4m/s(平均程度)のとき、気密性能が2cm2/m2程度の建物の漏気量は0.3回前後ですから、前回のブログで加味した漏気量は甘めだとわかります。

熱交換換気などの第一種換気扇を付けた建物の場合、さらに多くなり漏気量だけで0.75回になり、熱交換する意味もかなり薄くなってくるので他の項目(サッシのグレードを上げる、断熱を強化するなど)を優先した方がいい場合もありそうです。

決して高気密とは言えませんがこういったことを理解していれば2cm2/m2の気密性能でもいいと思います。ただし、測らなかったらそこまでいっているかさえもわかりませんのでやはり気密測定は必須です。

換気が多くできてコロナ対策になっていいじゃんと思う方もいるかもしれませんんが、この漏気は”運任せ”になり実際にどのくらい漏気しているのかは不明で、しかも自分では制御することができませんので疑わしい理屈になります。


前回のブログ記事とダブる部分がありますが、高気密の利点のひとつに漏気による熱損失を減らし、上下の温度差が生じにくい快適な環境を作りやすい、といった事があります。

風が強く寒い日、いつもより部屋が寒い、暖房が効かない、すきま風を感じる、こういったことを感じたら気密性能を疑った方がいいかもしれません。




by takakoun | 2020-11-14 11:08 | 高断熱高気密 | Trackback | Comments(0)
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