素材と断熱に拘った省エネ住宅を造る工務店ブログ
断熱気密の利点7 高気密のメリット4 建物を壁体内結露(内部結露)から守る

よくサッシに結露がでて悩まされることがある。
これは目に見えるものであり、あまりにも多くの結露水が発生して他に流れて影響を及ぼす、といったことがなければカビ等には注意が必要であまり好ましいものではないが、なんらかの対策をすることができます。

怖いのは目に見えない壁体内で同じような現象が起こること。
そして気密性が確保されていないと、冬期の壁体内結露(内部結露)が問題になる場合があります。

断熱材が外断熱オンリーの場合は、構造体が断熱材の室内側にくるので原則、問題はない。充填断熱の時は注意をする必要があり、特に繊維系の断熱材の場合は要注意である。

充填断熱の時、壁の中に湿気が入らないように、室内側に防湿シートをきちんと連続して張っていると壁の中に室内の湿った空気が入ることは少なくなり、結果として隙間がなくなるので気密性能も向上することになる。

これとは逆に、防湿シートなどをきちんと施工しなかったとしても、建物の気密性能がそこそこ確保されてしまうケースもあります。

例えば、外壁の下地材として合板などの面材を貼った場合、ある程度そこで気密がとれてしまう。


気を付けなければいけないと思っているのは、袋入りグラスウールを充填し、外壁下地に合板など(OSBも)を貼ったパターンである。

袋入りグラスウールは防湿フィルムの中にグラスウールが予め入った断熱材である。施工した人ならよくわかると思うが、この防湿フィルム、薄すぎてすぐに破けてしまう。ちょっとテープがくっついたとしても簡単に破け、補修も難しい。

しかも壁の中は、筋交いや金物、コンセントなど断熱材を詰めるには障害物がたくさんあり、防湿層をきちんと連続させることは困難。

防湿層が途切れた、もしくは無いところから湿気が入り、そして湿気は合板などに阻まれて抜けにくい、といったことが懸念される。

地域によるかもしれないが、袋入りグラスウールと合板を組み合わせた場合、計算上、このフィルムが無ければ結露してしまうケースがほとんど。


天井も同じです。
天井裏にこの袋入りグラスウールを施工する場合、普通の施工方法では防湿層はまず連続させることはできない。

下記は国土交通省の主催する省エネルギー講習のテキストでのイラスト。

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ここでは袋入りのグラスウールの場合、別張り防湿フィルム(防湿シート)を施工するか、内装下地材の4周に木下地を施工することになっているが、本当にそこまで気を使って施工をする建築会社はあまり見かけないような気がします。


リフォームの時に天井に防湿シートを張ったI邸の例

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恒常的に結露が起きると最終的には木が腐朽してきます。
リフォームなどで壁体内が腐朽しているのを見たことはあるが、原因が漏水なのか壁体内結露によるものなのか判断が難しい。


国の研究機関である国土技術政策総合研究所の報告書「木造住宅の耐久性向上に関わる建物外皮の構造・仕様とその評価に関する研究」に腐朽の事例が載っています。

下記は関東、築5年の事例。屋根断熱の排気口と防湿層の不備であると書かれている。北国だけであったり、古い住宅の問題ではないことがわかります。

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この報告書、検索すればでてくると思いますので興味がある人は調べてみてください。住まい手向けの章や動画も有ります。約1,900ページもあるので読むのは結構大変ですが。


ちなみに吹付ウレタンには注意がいらない、というわけではなく、どんな防湿対策をとっているのかは確認する必要があります。

ということで気密性能も大事ですが、それにプラスしてどのように防湿するのか、これも大事。





by takakoun | 2020-12-15 13:53 | 高断熱高気密 | Trackback | Comments(0)
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