よく巷で言われているようなパッシブ設計(デザイン)は冬期の日射が少ない新潟でも有効なのでしょうか。 ここでいうパッシブ設計とは南側に開口部を大きく設けて冬に太陽の日射熱を積極的に取り込み、暖房費を節約する設計手法、としています。 ソフト上で比較してみます。 使用ソフト Q-pex 敷地条件:新潟市 南側10mに遮蔽物無し 建物条件:U値0.4程度(G1超える程度)の無理のない断熱仕様 暖房:エアコン効率は3 開口部条件: 玄関以外は南面のみに窓 サッシは樹脂サッシ ガラスは断熱ペアガラス 窓にはレースカーテンのみ 上記の条件で窓の大きさだけを変えてみて暖房費を比較してみる。 まずは南側に腰高の4つの窓 建物はこんなイメージ 暖房費は冬期合計で47,160円 次に日射熱を取り込みやすいように4つの窓を大きくしたモデル 上の例より窓の面積は2倍以上 暖房費は冬期合計で46,440円 効果はなくはないが、真南に向き、かつ、10m遮蔽物が無く、庇も無いという恵まれた条件でなんとか年間720円削減。(47,160-46,440=720円) 敷地条件やサッシ、ガラスの性能、建物の断熱性能などでも結果は変わるだろうから条件によっては逆転する場合もあるかもしれない。 (ちなみにこの例では南の空きを10m→7mにしただけで逆転) 明るさや眺望、外とのつながり、といった目的のためではなく、たんに暖房費を節約したい、といった目的のために開口部を大きくする場合は盲目的にパッシブ設計を当てはめず、よくシミュレーションを行った方が良さそうです。 また、どんな家でも夏期の日射対策は必要だが、パッシブ設計をする場合はより一層、徹底した日射対策が必要になる。
by takakoun
| 2022-07-11 10:53
| 高断熱高気密
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